ACCI Gusto/アッチ・グスト
イタリア料理専門展
イタリア全20州を感じる
早いもので、今年で7回目。
回を重ねるごとに、パワーアップするこのACCI
Gustoに、運営してらっしゃる方々の並々ならぬご尽力を感じます。
今回もいくつかのセミナーリオに参加し学びました。
「イタリアのDOP・IGPについて」
【DOP/IGPとは】
DOP Denominazione di Origine Protetta
【原産地呼称保護】
特定の地域で栽培・飼育・収穫された農産物が加工を経て製品となる際に、全ての工程がその特定地域で行われたことを示す。
IGP Indicazione Geografica Protetta
【地理表示保護】
特定地域で栽培・飼育・収穫された農産物が加工を経て製品となる際に、少なくともひとつの工程がその特定地域で行われたことを示す。
※イタリアDOP IGP STG 食品ガイドブック 表紙裏 イタリア大使館 貿易促進部
このシステムは、お役所や経済界ではなく学者が作った事が、成功の大きな鍵である。
多種多様な農産物を広く市場に流通させると共に、製品名を誤用や盗用から守る為の制度。
また、消費者が必要とする情報を正しく伝える役割も担う。
全ての団体が申請できる。
生産方法は規約に明記され、品質の安定が保たれる。
製造者は自主的に検査管理を行い、また外部からの検査に従わなければならない。
製品保証のチェック規定を作り、常に検証。
そのため、認証された製品は安心で高品質のものになり、結果的に消費者を守ることになる。
【DOP・IGPの効果】
土地に結び付いた文化的価値のある製品を作る。
付加価値がつき、新しい市場ができる
アグリツーリズムとの相乗関係を勧める
衰退しつつある農産業と職業に価値を与える
強い団体を作り、経済的に遅れた地域に雇用を増やす
➡地方の経済成長力をつける
【区分】
・チーズ
・加工肉
・農産品
・アチェート バルサミコ
・オリーブオイル
・生肉
・その他
*分類も細かく分けられていて、DOPやIGPのマークは良い製品を提供することによって消費者を守る、信頼の認証であり、日本で購入する際の基準の一つでもある。
【STG/伝統特産品保証】
地域には関係ないが、伝統的技術を使っている製品をします。
認定されているのは2種。
ナポリピッツァ(イタリア国内全域)
モッツァレッラ(イタリア国内全域)
*カンパーニア州水牛製モッツァレッラはDOP
【セミナーリオの中では・・・】
・サンマルツァーノ・トマト
・カラブリアだけの特産品ベルガモット
・カステッルッチョ・ディ・ノルチャ産のレンズ豆(罪人の村の生きる手段)
・地方活性化の起爆剤・セニーゼのペペローニ
・地形が生んだトラーバニの塩
・トレヴィーソ産赤チコリ
・ローマ産仔羊肉
・チンタネーゼ種豚肉
・若者を呼び戻したいマテーラのパン
・認定を待つエオリア諸島のケッパー
まだまだ他にもありましたが、
生産者の熱い想いや自信の食材、その土地にしか存在しない理由、歴史・・・
一時間ではなく、もっと知りたい中身の濃い時間でした。
【セミナーリオの後で】
大きな団体に所属していなくても、生産者自らが申請できるこの規約は、学者ならではの発想。
このシステムは、長いイタリアの歴史(文化)、生産者の経済的な安定、消費者を守る理想的なもの。
日本でも農業の高付加価値等の推進は行われていますが・・・
種が採れなくなるような危ない状況も進みつつあり、想像できない素晴らしさ。
日本でも、誰もが知るシステムができたら、農家の底上げ、国としての自給率の増加、安心安全な食物の増加に繋がるかも・・・
何よりイタリアが益々好きになり、イタリア料理の発展のために、普段はライバル関係かもしれない人々が、一致団結してこのアッチ・グストに集結する姿に、毎年感動‼
今回、参加したセミナーリオは、イタリア料理研究家の長本和子先生のものばかり。
セミナーリオの時に「エオリアの蘭 ケッパー」という小冊子をいただき、その中には先生のケッパー料理のレシピが‼
この冬は、ミントハウスでも先ずは長本先生のレシピでケッパー料理をしてみようと考えています。