アッチ・グスト 2017

ACCI Gusto/アッチ・グスト
イタリア料理専門展
イタリア全20州を感じる

早いもので、今年で7回目。

回を重ねるごとに、パワーアップするこのACCI Gustoに、運営してらっしゃる方々の並々ならぬご尽力を感じます。
今回もいくつかのセミナーリオに参加し学びました。

「イタリアのDOP・IGPについて」

DOP/IGPとは】
DOP
 Denominazione di Origine Protetta
【原産地呼称保護】
 特定の地域で栽培・飼育・収穫された農産物が加工を経て製品となる際に、全ての工程がその特定地域で
行われたことを示す。

IGP Indicazione Geografica Protetta

 【地理表示保護】
特定地域で栽培・飼育・収穫された農産物が加工を経て製品となる際に、少なくともひとつの工程が
その特定地域で行われたことを示す。

※イタリアDOP IGP STG 食品ガイドブック 表紙裏 イタリア大使館 貿易促進部 

このシステムは、お役所や経済界ではなく学者が作った事が、成功の大きな鍵である。

多種多様な農産物を広く市場に流通させると共に、製品名を誤用や盗用から守る為の制度。

 

また、消費者が必要とする情報を正しく伝える役割も担う。

全ての団体が申請できる。

生産方法は規約に明記され、品質の安定が保たれる。
製造者は自主的に検査管理を行い、また外部からの検査に従わなければならない。

製品保証のチェック規定を作り、常に検証。

そのため、認証された製品は安心で高品質のものになり、結果的に消費者を守ることになる。

DOPIGPの効果】
土地に結び付いた文化的価値のある製品を作る。

付加価値がつき、新しい市場ができる

アグリツーリズムとの相乗関係を勧める

衰退しつつある農産業と職業に価値を与える

強い団体を作り、経済的に遅れた地域に雇用を増やす

地方の経済成長力をつける

【区分】

・チーズ
・加工肉

・農産品

・アチェート バルサミコ

・オリーブオイル

・生肉

・その他

*分類も細かく分けられていて、DOPIGPのマークは良い製品を提供することによって消費者を守る、信頼の認証であり、日本で購入する際の基準の一つでもある。

STG/伝統特産品保証】

地域には関係ないが、伝統的技術を使っている製品をします。
認定されているのは2種。
ナポリピッツァ(イタリア国内全域)
モッツァレッラ(イタリア国内全域)
*カンパーニア州水牛製モッツァレッラは
DOP

【セミナーリオの中では・・・】

・サンマルツァーノ・トマト

・カラブリアだけの特産品ベルガモット

・カステッルッチョ・ディ・ノルチャ産のレンズ豆(罪人の村の生きる手段)

・地方活性化の起爆剤・セニーゼのペペローニ

・地形が生んだトラーバニの塩

・トレヴィーソ産赤チコリ

・ローマ産仔羊肉

・チンタネーゼ種豚肉

・若者を呼び戻したいマテーラのパン

・認定を待つエオリア諸島のケッパー

まだまだ他にもありましたが、
生産者の熱い想いや自信の食材、その土地にしか存在しない理由、歴史・・・
一時間ではなく、もっと知りたい中身の濃い時間でした。

【セミナーリオの後で】
大きな団体に所属していなくても、生産者自らが申請できるこの規約は、
学者ならではの発想。
このシステムは、長いイタリアの歴史(文化)、
生産者の経済的な安定、消費者を守る理想的なもの。

日本でも農業の高付加価値等の推進は行われていますが・・・

種が採れなくなるような危ない状況も進みつつあり、想像できない素晴らしさ。
日本でも、誰もが知るシステムができたら、農家の底上げ、国としての自給率の増加、安心安全な食物の増加に
繋がるかも・・・

何よりイタリアが益々好きになり、イタリア料理の発展のために、普段はライバル関係かもしれない人々が、一致団結してこのアッチ・グストに集結する姿に、毎年感動‼

今回、参加したセミナーリオは、イタリア料理研究家の長本和子先生のものばかり。
セミナーリオの時に「エオリアの蘭 ケッパー」という小冊子をいただき、その中には先生のケッパー料理のレシピが‼
この冬は、ミントハウスでも先ずは長本先生のレシピでケッパー料理をしてみようと考えています。