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重陽の節供

9月9日は、五節供のとめでもある『重陽の節供』
最高に縁起の良い日と言われる。

陰陽道では、奇数は陽偶数は陰とされ、「九」は陽の数字の最も大きい数字
その「九」が二つ重なることから「重陽」と呼ばれ、最も縁起の良い日とされていた。

古代中国では、香気の強い木の実を身につけて山に登り、菊の花びらを浮かべた菊酒を酌み交わし、長寿と無病息災を願う風習があった。
この風習が日本に伝わり、『重陽の節供』に!

「菊の節供」とも言う。

重陽の風習は天武天皇(在位672-686)には伝わっていて、平安時代には重陽節として宮中の行事の一つとして行われていた。

当時の宮中では、不老長寿の霊草とされた菊の花びらを浮かべ「菊花の宴」を催した。

重陽の日の前夜、綿に菊の香や露をしみ込ませ翌日の朝にそれで体を拭くと、長生きできると言われ、菊の花に被綿(きせわた)をする風習も生まれた。

江戸時代になると庶民の間にも広まり、菊酒や栗ご飯を食べる習慣が一般化したことから「栗の節句」と呼ばれることもある!

現在では、「重陽の節供」五節供の中で一番馴染みの薄いお節句になってしまいましたが、その原因の一つに新暦に変ったため、菊の季節ではなくなったこともありそうです。

忙しい日々、特別なお料理は大変かもしれませんが、食用菊をお吸い物に散らしたり日本酒にの花びらを浮かべたり・・・
少しだけ菊を味わいながら、長寿と無病息災を願ってみませんか?

※古くから伝わる行事や慣習は、諸説あります。こちらに載せているのは、その一部になります。